当社がわかめを扱うようになったのは、日本でわかめ養殖が盛んになり始めた1960年代です。祖業であるビタミンA製造の原料調達を通じて水産関係の情報に強かった当社は、いち早く養殖わかめの市場が有望であると判断し、1965年に理研の生わかめ『わかめちゃん』を発売しました。発売当初はお客さまから大変おいしいと評価を受け、非常に順調でした。
ブランドストーリー
〈 ふえるわかめちゃん®編 〉
『乾燥カットわかめ』の代名詞として使われることも多い『ふえるわかめちゃん』 が発売されたのは、1976年のことです。
今では当たり前のように食べられている『ふえるわかめちゃん』の開発には、多くの解決すべき課題がありました。
01最初のわかめは“ふえない”わかめちゃん!?
はじまりは理研の生わかめ『わかめちゃん®』でした
02開発秘話
目指したのはお湯でさっと戻る、
鮮やかでおいしい乾燥カットわかめ
当社が乾燥カットわかめに本格的に取り組み始めたのは1969年です。あるお取引先から、『即席みそ汁』の具材となる乾燥わかめを作れないかという相談を受け、開発をはじめました。
まずは、原料となるわかめを棚型の乾燥機で乾燥させる方法を試してみましたが、この方法ではわかめ同士がくっつきあって乾燥に時間がかかってしまうことと、大量生産ができない、という限界がありました。
「どうすれば大量のわかめを一枚ずつ乾燥できるのだろう」という課題解決のヒントとなったのは、意外なものでした。ある日の休憩中、お茶を淹れている時に急須の中で茶葉が開いて葉っぱの形に戻っていくことに気がついたのです。
「お茶の製法を利用すれば、うまくいくかもしれない」ということで静岡県の乾燥機メーカーに相談すると、お茶は筒状の機械で回転乾燥していることが分かりました。
この回転乾燥機の導入によりわかめをカール状に仕上げ、乾燥効率を大幅に改善することに成功しました。その他にも徹底的な異物除去など、数多くの課題を解決し、開発を始めてから5年後の1974年、目指していた品質の乾燥カットわかめが完成しました。
完成した商品はまず業務用飲食店向けに『花ざいく』という名前で発売しました。みそ汁、酢の物、わかめラーメンなどいろいろなメニューに使いやすいことから、『花ざいく』は業務用市場に瞬く間に広まりました。
業務用での販売から1年後の1976年、家庭用でも『新わかめちゃん ふえるわかめ』を発売しました。
団地でのサンプリングやお店でのマネキン試食販売など、商品の良さを知っていただくための販売活動を行いました。その活動が実を結び、発売3年目から大きく成長しはじめました。その後1981年に発売した『わかめスープ』もヒット、今でも当社の主力商品となっています。
03わかめのこれから
~わかめのリケンから海藻のリケンへ~
日本の食卓にかかせない海の恵みであるわかめ。一方でわかめを含む海藻養殖産業では、地球温暖化による環境の変化や、生産者の高齢化や後継者不足によって生産量の減少傾向が続いています。
日本の貴重な食文化である海藻を未来につなげるために、当社グループでは安定生産に向けた種苗研究やわかめの健康効果の研究、スジアオノリの陸上養殖、食育などの取り組みを行っています。