トップメッセージ

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理研ビタミンは、「社会に対し、食を通じて健康と豊かな食生活を提供する」を経営理念の一つに掲げ、天然物の有効利用を事業展開の根幹に据えて、生活に健康・安全・安心・豊かさをもたらす製品の供給を行っています。
当社では創業以来、「天然物の有効利用を図る」というポリシーがDNAとして綿々と受け継がれています。1953年にビタミンAの分子蒸留に成功し、これが当社のすべての基礎となる革新的技術となりました。そして、天然物由来の製品の付加価値を高める独自の技術力が大きな強みとなっています。

当社のビジネスモデルは、天然物を有効利用する技術によって付加価値を生み出すものであり、食品、改良剤、ヘルスケアすべての事業で一貫性があります。例えば、初期の事業であるビタミンAは、捨てるはずだった魚の内臓から抽出して有効利用したものであり、国内でトップシェアを持つほたてエキスも、捨てられていた貝柱の煮汁を濃縮加工したものです。このように、当社は創業時からサステナブルな製品づくりを行ってきました。

現在は、中長期ビジョン「持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え、成長する会社になる」を掲げ、その実現に向けた中期経営計画(2022-2024年度)に基づき、将来の成長に向けた基盤強化を行っています。当社が考えるスペシャリティな製品とは、独自技術によってお客さまに付加価値を提供し、持続可能な社会に貢献するオンリーワンの存在です。既存事業においてもスペシャリティな製品やサービスが多く存在しますが、今後はさらに当社のコア事業である食品と改良剤、ヘルスケアの分野でスペシャリティを創出していきます。スペシャリティな製品とサービスを生む源泉の一つが食品用改良剤の研究開発拠点である「アプリケーション&イノベーションセンター(A&Iセンター)」です。A&Iセンターでは、さまざまな分野の研究員が調査・マーケティングと研究開発を行っており、海外との連携強化と専門分野の壁を越えたコミュニケーションによって、今までにない発想でアプリケーションの提案を行うことができています。

当社は元来、自由闊達で多様性を尊重する企業文化が根づいていましたが、その雰囲気が薄れてしまっている危機感を持っています。スペシャリティ企業としての持続的成長はひとえに「人」にかかっていると考えており、心理的安全性の確保と、多様性を尊重する施策に取り組むとともに、人材戦略と経営戦略を一体的に議論していきます。個々人が組織のビジョン、あるべき姿を共有し、課題に対して主体的に行動する「考える組織」になることで、従業員一人ひとりが中計を自分事として、ワクワクしながら参加するようになってほしいと願っています。

理研ビタミングループは、スペシャリティな製品とサービスによって持続可能な成長を目指します。そして、当社グループの将来に希望を持っていただけるよう、ステークホルダーの皆さまとの対話をしっかりと進めていきます。
今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

理研ビタミン株式会社

代表取締役社長

山本一彦