リスクマネジメント

理研ビタミンは、事業活動にかかわる潜在的な重大リスクを適切に把握して平時のリスク発生の予防に努めるとともに、経営的危機が発生した場合には当社グループの資産を保全し、業務の有効性、経営の効率性を高めること、当社グループの信頼性を維持することを目的として、リスクマネジメント体制を整備しています。

重要リスクの特定とモニタリング体制

理研ビタミンは、2021年まで、グループの各部署がそれぞれリスクの特定と評価を行うボトムアップ型でのリスクマネジメント活動を行っていましたが、2022年度にトップダウン型の活動に変更しました。これは事業活動にかかわる全社リスクについて定量的、定性的な評価を実施するとともに、各リスクの該当部署を特定し、取締役会への報告を経て、各部署でのマネジメント活動を行うものです。活動に対するモニタリングは、総務担当取締役を委員長とし、当社および関係会社から選出された委員によるリスク管理委員会において行われ、定期的に取締役会に報告される体制としています。

主要なリスク 対応・取り組み
市場変動
  • 人口減少、少子高齢化による市場縮小
  • 経済状況や需要動向の変動
  • 市場ニーズの変化に対応した商品開発
  • 多角的な経営によるリスク分散
  • 高付加価値製品による差別化
安全性
  • 製品・商品の回収や多額の製造物賠償責任
  • ISO、HACCP、FSSC等への準拠
  • 自主検査体制やトレーサビリティシステムの構築
原材料調達
  • 市場の急激な変動
  • 原産地における天候、需要バランス、社会情勢などの変化
  • 自然災害の発生
  • 特定の調達先への集中の回避
  • 計画的な在庫確保
為替変動
  • 外国通貨で販売する製品および調達する製品および調達する原材料の取引リスク
  • 在外子会社の業績の換算リスク
  • 為替予約取引
知的財産権
  • 第三者による当社知的財産権の侵害に伴う当社ブランド価値の低下
  • 当社による第三者の知的財産権の侵害による訴訟費用等の発生
  • 知的財産権の取得およびノウハウ化による当社商品の保護
  • 当社の知的財産権の侵害者への警告
  • 第三者の知的財産権を尊重した商品開発および営業活動
情報、管理システム
  • 大規模災害、機器障害、不正アクセス等による情報システムの使用不能
  • 情報システムについての適切な管理体制の運営
  • 適切なセキュリティ対策の実施
自然災害等
  • 自然災害による製造設備への被害
  • 感染性疾病の流行による人員確保の困難化
  • 大規模地震、新型インフルエンザ等に対応する事業継続計画(BCP)の策定
  • 安否確認システムの導入
法的規則
  • 法令、規則等の変更、予期し得ない法的規制等の導入
  • 情報収集力の強化と法規制対応
海外事業
  • 言語、地理的要因、各種規制、当局の監督、経済的・政治的不安、食習慣、宗教の違い等
  • 競争の熾烈化
  • 諸規制の突然の変更
  • カントリーリスク
  • リスクが顕在化する前に適切な対応を図るための情報収集
  • 社内規程に基づく活動やリスクヘッジ対応

知的財産権の保護

理研ビタミングループでは、事業戦略に則って実施された研究開発の成果である技術を守り、商品の価値を向上させるために、質が高く有効な特許、商標の出願と権利化をはじめとする知的財産の保護に努めています。また、当社保有の知的財産権に対して侵害があった場合には、必要な対応策を講じています。今後は営業秘密の保護強化と、特に重要な当社固有の生産技術・ノウハウなどの漏洩防止に努めていくべきであると認識しており、見える形での整備を進めていきます。
理研ビタミンでは、新入社員、開発部門および営業部門に所属する従業員に対して、知的財産権に関する社内規程の説明会や知的財産権制度等の説明会を実施し、知的財産権の意義および制度概要の理解等、知的財産マインドの育成に努めています。
特許、意匠および商標については社内規程を設け、特許および意匠を出願、登録した際には発明者および創作者に、また、特許権を実施して実績に寄与した場合には発明者に報奨金を支払い、優れた技術やデザインの創造支援を行っています。

情報セキュリティの推進

情報セキュリティの推進

理研ビタミンでは、サイバー攻撃などの脅威から情報資産を保護するため、情報セキュリティの維持・向上を推進しています。

セキュリティ対策機器やソフトウェアを導入し、最新技術を活用して、不正アクセス、情報漏えい、改ざん、紛失・毀損などのリスクを最小化する施策を行っています。サーバーやデータは耐震性の高いデータセンターに保管し、冗長性の高いバックアップシステムを採用しており、データの損失を最小限に抑えるための取り組みを行っています。また、クラウド化を推進することで可用性を高め、リスクの分散を図り、ビジネスの持続性を確保しています。

在宅勤務時のセキュリティ対策も重視し、安全なネットワーク接続の確保や強固なパスワードの利用、機密情報の適切な取り扱いに関するガイドラインを徹底しています。

従業員に対しては、一人ひとりのセキュリティ意識を高め、会社の損失を防ぎ、社会的信頼を保つために、教育プログラムを強化しています。eラーニングによる情報セキュリティ講習や標的型攻撃メール訓練など、継続的なセキュリティ教育をするとともに、情報セキュリティに関する最新情報や注意喚起を社内で共有することにより、従業員全員のセキュリティ意識の向上にも努めています。