トップメッセージ

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 理研ビタミンは2022年に、中長期ビジョンとして「持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え、成長する会社になる」を掲げました。当社のDNAである「天然物の有効利用を図る」ポリシーのもと、付加価値の高い製品・サービスを提供する事業活動を通じて、持続可能な社会に貢献するオンリーワンの存在となることを目指しています。

 このビジョンの実現に向けた最初のステップとなる中期経営計画(2022-2024年度)では、将来の成長への基盤強化と投資を進めています。中期経営計画では基本方針の一つに、アジア・北米で の展開の加速を掲げています。北米ではこれまでコモディティ品の販売が中心でしたが、特にベーカリー(製パン・製菓)向けの食品用改良剤で、付加価値の高い配合製剤、いわゆるスペシャリティ製品の販売を伸ばしていきたいと考えています。広大なアメリカ大陸で、当社の技術によりパンやケーキのおいしさを長持ちさせることができれば、お客さまとなる加工食品メーカーや消費者に対して大きな価値を提供することができ、フードロスの削減にもつながります。

 各地域における事業拡大への取り組みと並行し、管理体制の強化に向けて、2023年4月に品質保証本部内にグローバルQA(Quality Assurance)室を新設しました。国ごとに優先順位をつけて、品質保証体制を充実させていきます。また、関連事業統括室を中心とした、海外子会社の現地法規制への対応や事業運営を本社の関連部署がサポートする体制を強化しています。

 持続的な成長を実現するために重要なのは何より人財です。そのため、多様な人財が活躍できる自由闊達な風土の醸成と、次世代リーダーの育成に注力しています。当社には元来理化学研究所をルーツとしたDNAとして自由闊達な企業風土がありましたが、近年はその風土が薄れてしまっているように感じています。画期的な商品を生み出すには、多様な人財が自由に意見を言える心理的安全性を確保し、企画や開発において新たな取り組みに挑戦しやすい体制とすることが重要です。

 企業が社会に貢献するには、事業活動を通じて社会的課題を解決することももちろんですが、まず持続的に利益を創出することが重要だと考えています。利益の創出が、納税や従業員の待遇向上、株主還元につながり、社会において大きな役割を果たすことができます。 そのためには、価格競争になりにくい、他社と差別化された高い付加価値を持つ、スペシャリティな製品とサービスを創出し続けることが重要です。その根源にあるのは研究開発力と独自の技術力であり、これらがあるからこそスペシャリティでサステナブルな製品を生み出すことができます。この根源的な強みを軸として、理研ビタミンができること、やるべきことを整理し、2024年にマテリアリティを見直しました。このマテリアリティを羅針盤として、サステナブル経営を推進し、実効性を高めていきます。
 当社の強みや未来に向けた可能性を積極的に発信し、ステークホルダーの皆さまとの対話を増やしていきたいと考えています。当社グループの成長にご期待いただき、今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

理研ビタミン株式会社

代表取締役社長

山本一彦