海藻産業活性化への取り組み

当社グループの理研食品が岩手県で行っているわかめの大規模養殖支援を中心に、海藻産業の活性化への取り組みをご紹介します。

1. わかめ養殖支援の取り組み

わかめ産業を取り巻く課題

近年、漁業者の高齢化や海の環境変化などによってわかめの国内生産量は減少しており、原料の安定調達が当社の大きな課題となっています。

  • 当社
    • わかめの生産量減少による調達の不安定化
  • 漁業会社
    • 海の環境変化による漁獲量・収入の不安定化
  • 漁協
    • わかめ生産者の減少による空き漁場の増加
    • 管理コスト負担増

取り組み

理研食品(当社グループ)がわかめの種苗や生産ノウハウを提供し、漁業会社が空き漁場を活用してわかめを養殖、そのわかめを理研食品がすべて買い取ります。当社は原料の安定調達、漁業会社は安定した収入の確保、漁協は空いている漁場の有効活用ができる三方良しの取り組みです。

  • 理研食品
    安定調達

    • 種苗の提供
    • ボイル設備貸出
    • 全量買取
  • 漁業会社
    安定収入源の獲得

    • わかめ養殖へ参入
      ※漁業権行使者は個人
  • 漁協
    空き漁場の減少、管理コスト負担減

    • 空き漁場を提供

2. わかめ養殖 収穫風景

3月~4月にかけて三陸地区ではわかめの収穫がピークを迎えます。
収穫の時期には漁師さんが朝早くから海に出て1年分のわかめを収穫します。

  • 早朝の出港風景
    日の出前の出港
  • 養殖わかめ
    良質な海で育った養殖わかめ
  • わかめの刈り取り(船上)
    船上でのわかめの刈り取り

3. わかめ養殖 一次加工

収穫したわかめは、港に設置された専用の設備でその日のうちに湯通しから塩蔵まで加工されます。

  • 湯通し前のわかめ(茶褐色)
    湯通し前のわかめ
  • 湯通し後のわかめ(緑色)
    湯通し後はすぐに冷却
  • 塩蔵
    袋詰めしたわかめを塩漬け

4. わかめの研究施設(ゆりあげファクトリー)

わかめ加工と種苗の生産・研究を行う「ゆりあげファクトリー」では海藻養殖産業の労働負荷低減に向け、わかめの優良品種選抜とわかめ養殖業の方への種苗供給を行い、わかめの収量アップや、将来的な二期作の実現を目指す取り組みを行っています。

  • ゆりあげファクトリー外観
    ゆりあげファクトリー
  • 光強度可変装置付き種苗生産恒温槽
    わかめ種苗生産に最適な光条件と水温を付与する、種苗生産恒温槽
  • CFCS水槽
    優良系統を選抜するための浮遊回転式養殖水槽(CFCS水槽[特許第6024879 号])

5. 海藻の陸上養殖施設(陸前高田ベース)

わかめで培った種苗生産技術と基礎研究成果の実現のために、「陸前高田ベース」を2021年に開設しました。現在では年間を通じた適正な品質のスジアオノリの生産を実現しています。

  • 陸前高田ベース外観
    陸前高田ベース
  • 水槽内のスジアオノリ
    水槽内のスジアオノリ
  • スジアオノリ
    乾燥後のスジアオノリ

6.ブルーカーボン

海藻類の炭素固定による「ブルーカーボン効果」の定量化にも取り組んでいます。

理研ビタミングループは、海藻産業の活性化に貢献していきます。