日本では、食品衛生法に基づいて国から使用が認められたものだけが食品添加物として使用できます。
そして、新たに申請される食品添加物については、食品安全委員会により安全性の審査が行われます。
また、一度使用が認められた食品添加物についても、継続的に安全性の調査が行われています。厚生労働省ではスーパーなどで売られている食品に含まれる食品添加物量を分析し、その分析結果をもとに国民一人あたりの食品添加物の一日摂取量を算出して、摂取量に安全性上問題ないことを確認しています。
「マーケットバスケット方式による年齢層別食品添加物の一日摂取量の調査」(厚生労働省)をもとに理研ビタミン株式会社がイメージ作成
実際に売られている食品を購入。
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食品添加物量を分析。
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国民栄養調査に基づいて、国民一人あたりの食品添加物の一日摂取量を算出。
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算出された摂取量に問題がないことを継続的に確認。
※ADI(一日摂取許容量)は、動物にはまったく害のない量から、さらに通常1/100としたものです。このADIを超えないように、食品添加物の使用基準が定められています。 厚生労働省による食品添加物量の分析では、実際の商品ではADIよりずっと少なく使われていることが確認されています。(参考:日本食品添加物協会Webサイト「よくわかる食品添加物」~4.安全性に対する考え方)
安全性の評価についてより詳しく知るには、厚生労働省や日本食品添加物協会のWebサイトをご覧ください。
当社の主力乳化剤、モノグリセライドについてご説明いたします。
○原料
モノグリセライドの主要な原料は、パーム油などの食用油脂とグリセリンです。このグリセリンも、主にヤシ油やパーム油などの食用油脂から作られます。
○製法
当社のモノグリセライドは、主に食用油脂とグリセリンを高温で反応させることで作られ、その後、蒸留により精製されています。
食用油脂は、「脂肪酸」という水になじみにくい部分を多く持っているため、水とは混ざりません。
一方、モノグリセライドは「脂肪酸」を1つだけ持っていることから、水にも油にもバランスよくなじんで、乳化効果を発揮します。
図のように、食用油脂とモノグリセライドは「脂肪酸」の数が異なりますが、基本的な構造は類似しています。また、天然の食用油脂中にもモノグリセライドが微量含まれているという報告もあります。アメリカ食品医薬品局(FDA)から、食品中のモノグリセライドと食用油脂は「同じメカニズムによって代謝される」と報告されています。
モノグリセライドは、日本では1957年から、人の健康を損なうおそれのない食品添加物として使用が認められています。
その安全性については世界的に確認されており、アメリカ食品医薬品局(FDA)で1975年に、国連の食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)による専門家会議では1963年と1973年に評価が行われています。
また2017年にも、EUの欧州食品安全機関(EFSA)から、安全性についての懸念はないと報告が出されています。